白斗は八時半頃にうちを出て、彼の住まい(学校)に帰った。
外まで彼を見送った後に家に戻ると、お母さんが玄関で私を待っていた。
「何?」私は靴を脱ぎながら聞いた。
お母さんはニヤニヤしながら、「白斗くん、良い子だね。」と言った。
私はため息をついて、「はいはい、そうだね。」と言い、リビングへ向かった。お母さんもご機嫌な様子で、私の後ろを歩いた。
彼女は大きな勘違いをしているが、私はそれを無視した。白斗もそうしているみたいだし、彼が言っていたように、完全に間違っている訳でもないから。それに、付き合っているということにしたほうが、お母さんも嬉しそうだ。ただ、あかねのお母さんに言いふらしたりしないかが不安で仕方がない。
部屋に戻ると、白斗が寝ていた布団がまだ敷かれたままだった。
私はそれをじーっと見つめた末に、外にお母さんがいないことを確認し、ゆっくり部屋のドアを閉めた。
私は一歩ずつ、布団に近づいた。恐る恐る、布団の中に体を入れ、彼の朝の体勢を思い浮かべながら体を丸めた。自分がしていることが恥ずかしくて、顔が異常に熱くなった。私は、大丈夫、誰も見ていない、と自分に言い聞かせ、ゆっくりと目を閉じた。
布団の中に、彼の熱がほんの少し残っていた。

