そこにはいつも君がいた



「白斗!」

もうすでに一時間目の鐘は鳴っていた。私は屋上に着いたら彼の名前を呼んだ。


「あ、愛子。来てくれたんだ。」

「うん。昨日楽しかったから。」

「そっか。さぼりはいけないけどね。俺が言えることじゃないけど。」そう言って彼はニカっと笑った。それにつられるように、私も口角を上げた。相変わらずいい笑顔だ。






「俺、身長がもっと欲しいんだよねー。」
気付いたら背の高さの話になっていた。

「あー確かに、白斗身長低い方だよね。」

「ひどい!気にしてるのに・・・。」彼は言った。

「なんセンチあるの?」私は聞いた。

「・・・165。」彼は渋々という。

「あはっ!嘘でしょ?ちっちゃ!」思わず笑ってしまった。

「やめてよ!そもそも愛子が言えることじゃないじゃん!」彼は顔を真っ赤にして言った。

その通りだ。私は彼より小さい、160センチだ。

「だけど男子にして165は・・・。」

「分かってるから!お願いだからそれ以上言わないで!」彼は半泣きで嘆いた。

それに私は笑いが止まらなかった。



ようやく笑いが収まった頃に、私は言った。
「白斗みたいな身長だと、側にいるのに私の身長はちょうどいいのかもね。」

言葉が口から出た瞬間、自分を殴りたくなった。
まるで、付き合ってるみたいな言い方じゃん!

白斗の反応が怖かったが、彼はただ微笑んで、「そうだね、愛子がちょうどいいね。近すぎもなく、遠すぎもなく。」と言った。

これに、私は思わず赤面してしまった。