そこにはいつも君がいた



僕は、財布の中を見て、顔を上げた。そして、財布の中をもう一回覗いた。

お金がない。

いや、ある。でも、明日までの食費を考えたら、十円ちょいしか残らない。もちろん、貯金もあるが、できるだけそれは触れたくない。

僕がこんなに悩んでいるのは、銭湯にに行くお金が必要だからだ。僕は、出来るだけ毎日銭湯に行くようにしている。そうしないと、本当にホームレスになってしまう気がするから。早起きと同様に、できるだけ清潔な生活を送るのが僕の中でのルールだ。


それを貫くため、一回、科学室で体を洗ったことがある。その時は本当に金欠で、それしか手段が無かった。しかし、それを前に愛子に言ったらドン引きされたし、僕自身もまたやりたいとは思わない。

僕は、愛子にそのことを言った時に彼女が言った言葉を思い出した。学校で体洗うくらいならうちのお風呂を使ってもいい、と愛子は言った。


僕はもう一回財布を見た。やはり、何度見てもお金は増えない。


今回は、愛子のお言葉に甘えるしかなさそうだ。