そこにはいつも君がいた



「で、さぼりは楽しかった?」


昼休みになり、お弁当を食べながらあかねは私に聞いた。


「うん、まあね。」私は答えた。

「何してたの?さぼってる間。」

私は目をそらして言った、「うーん・・・。まあ、適当にぶらぶらと・・・。」私は嘘をつくのが大の苦手だ。それはあかねも知っている。

「ふーん・・・。」と言って、あかねは疑うように私を見たが、それ以上は言わなかった。

私は一安心して、それまで無意識に止めていた息を漏らした。






屋上の扉を出る時に、白斗は私を呼び止めた。

そして、こう言った。


『今日、俺に会ったことは、誰にも言わないでね。約束だよ。』



その言葉の余韻と、私を見つめる彼の眼差しが頭から離れなかった。