毎朝、僕の目覚まし時計は決まって六時半に僕を眠りから覚ます。僕は寝袋から起き上がり、制服に着替えたら物置きを出て、隣の屋上へ出る。そして、ラジオ体操を始める。運動不足を防ぐためにやっているのだが、本当にためになっているかは謎だ。
体操をやり終えたら、前日に買っておいたパンを食べながらボーッと空を眺める。
こうして僕、宮崎白斗の一日は始まる。
授業がある時間はとてつもなく暇だ。なんせ、六時間以上もひたすら待たなければいけないのだから。だけど、最近はある女の子が授業中にも関わらず、僕に会いにきてくれる。僕を退屈な毎日から救ってくれた救世主だ。
その子の名前は愛子だ。苗字は実は、まだ知らない。初めて会った時に僕が名前しか言わなかったから、彼女もそうしたのだろう。でも、いつか教えてくれる気がするから、僕から聞こうと思ったことはない。
愛子は少し恥ずかしがり屋で、たまに毒舌になったりもするけど、何事にも真剣に立ち向かおうとする。いつも簡単な近道を探ろうとする僕とは大違いだ。彼女はいつしか僕の日常の一部になっていて、気づけば恋に落ちていた。
そんな愛子に、僕はある隠し事をしていた。いや、僕が僕から隠していると言った方がいいのかもしれない。
僕はいつも自分を騙そうとする。昔からそうだ。多分、そうした方が楽で、傷つきにくいからだと思う。ダメだとは知っている。だけど、いつの間にか無意識にやっている。
僕が近頃感じている心の中のモヤモヤも、恐らくまた自分を騙そうとしていることを示している。それが何なのか、心の中では分かっているのだろうけど、僕の脳がその気持ちに追いつけない。いつもこうやって、手遅れになるまでわからない。そして、『もっと早く気づけば良かった』と、後悔する。
僕の人生はこれの繰り返しの気がしてならない。

