そこにはいつも君がいた



花火大会当日、私はお母さんに浴衣を着るのを手伝ってもらい、出掛ける準備をした。

「どう?変じゃない?」

お母さんは笑った。「大丈夫よ。今年はやけに気合が入ってるわね。もしかして男の子と・・・?」お母さんはのニヤニヤしながら言った。

顔が赤くなるのを感じた。「ち、違うって!」

本当は当たっているけれど、恥ずかしくて言えはしない。

お母さんはまた笑った。「はいはい、いってらっしゃい。」

否定したのに、お母さんはそれを信じていないようだ。

私は諦めて、ため息をつきながら、「いってきます。」と言った。


家を出て辺りを見回した。外にはすでに会場へと向かう浴衣姿の人でいっぱいだった。


私は、大勢の人たちが大通りを歩く中、小さい角を曲がり、みんなとは別の、ある人が私を待っている場所を目指した。