「・・・はーい!そこまで!」
一斉に鉛筆を机におく音がして、教室が急にざわついた。
私は腕を上に伸ばして、深呼吸をした。
期末テストがすべて終わって、クラスは騒がしい。私自身も、頭の中で夏休み中にやりたいことを箇条書きしていた。
有村先生が声を通そうと、大きな声を出す。
「おーい!聞け!これで期末テストは終わりだ。用事がない人は帰れ!」そしてそのまま先生は駆け足で教室を出て、職員室へと向かった。恐らく丸つけしなければいけないテストが大量にあるのだろう。先生は大変だ。
あかねが私の席に近づいてきた。
「愛子!帰る?」
私は席から立ちながら言った。
「ごめん、残ってやりたいことがあるから先帰ってて。」
あかねは私を見た。「そう・・・じゃ、ばいばい。」そう言って彼女は教室を出た。
やっぱり、あかねに嘘つくのはいい気分がしない。
罪悪感がありながらも、私は鞄を持って、奥の校舎へと向かった。

