そこにはいつも君がいた



しばらくの沈黙の後、私は言った。


「・・・これが、白斗の秘密?」


彼は答えた。「うん、そうだよ。なんか質問ある?」彼の口調は軽く、話の内容に全然合っていない。この明るさはどこから来るんだろう。本当に不思議だ。

「えっと・・・」残ってる疑問がありすぎて、何を言おうか迷ってしまう。「じゃあ、なんでいつも放課後ここにいないの?」

「ああ、バイトしてるんだ。」

「バイト?」

「うん、やっぱり食費とかはいつか底をつくわけだし。少しは稼がなきゃ、俺だって生きてられないよ。」

「でも、そしたら午前中空いてるんだから、そのとき行けばよくない?」

そうしたら、放課後に会えて、授業をさぼる必要は無くなるのに。

「バイト先では、学校に通ってることになってるんだ。家出がばれないよう、できるだけ目立ちたくないからね。だから、午前中に行ったら、学校行ってないのばれちゃうじゃん?」

「・・確かに。」

「だけど、それでもたまにばれる時があって、そういう時はできるだけ早くやめて、次のバイト先を探すんだ。僕の家出が世間にばれて、親の会社の評判がそれで悪くなったら、お父さんとお母さんに迷惑かけちゃうし、家出した意味もなくなっちゃうからね。」

白斗は悲しげに微笑んだ。


彼は、どこまで誠実なんだろう。自分のことを愛してくれない親のために、家出をして、学校にまで住み込んで。


それなのに、彼の家族は捜索願いさえ出してくれない。



一体、彼はどんな気持ちでこの数ヶ月を生きてきたのだろう。