そこにはいつも君がいた



「・・・それって、付き合ってくれる、ってこと?」私はドキドキしながら聞いた。

「あ、いや、そういうわけではなくて・・・。」なんだ、期待して損した。じゃあなに?、と私は聞いた。

「う〜ん、告白を断りたいわけじゃないんだけど、でもだからと言って付き合えないし・・・。」彼はボソボソと言った。

普段ははしゃいでばかりなのに、こういう時は内気になるんだ。

「どういうこと?」

「・・・とにかく俺、愛子とは付き合えない、ごめん。」

「・・・うん、わかった。」私の胸がズキっと痛む。

「でもそれは愛子が嫌いなわけじゃなくて、むしろすごく好きだから・・・。」

「え?」私は自分が聞いた言葉が嘘じゃないかを確かめるよう、顔を上げた。

「あ、いけない・・・。」彼は口を滑らした、というかのように口を塞いだ。


「・・・私のこと、好きなの?」私は聞いた。

彼は、なにも言わずに、コクン、と頷いた。彼の顔はさっき以上に燃え上がってる。

「でも付き合えないの?」また私は聞いた。

「・・・。」彼は俯いたまま、黙りこんだ。

屋上で吹く肌寒い風は彼の長めの髪を揺らした。



私は白斗の秘密のことをなにも知らない。ただ、私が今、唯一できるのは彼の笑顔を守ることだけだ。

「・・・・わかった。じゃあ私たち、両思いの友達、ってことでオッケー?」


彼はゆっくり顔を上げ、私を見た。

「・・・いいの?」

私は頷いて、「うん、だってこれもあの『秘密』と関係あるんでしょ?」と言った。

白斗はしばらく私を見た。


そして、彼は「・・・ありがと、愛子。」と言い、私に微笑んだ。