ようやく涙が収まった。私は彼から身を引いて、彼に笑顔を見せた。
「ありがとう、白斗。本当にありがとう。」
「ううん、俺は何にもしてないよ。」彼は言った。
違う。彼がいなかったら、今頃、まだ布団の中で罪悪感に溺れていただろう。
「いま何時?」私は彼に聞いた。
白斗は月の光を頼りにし、腕時計を見た。
「えっと・・・十二時半。」
「え!?うそ!?もうそんな時間!?」そんなに時間が経ってるとは思っていなかった。
「帰らなきゃ、お母さんが心配する。」
私は立ち上がった。
「え?」白斗が言った。
私は白斗を見た。「ん?なに?」
「・・・なんで俺がこんな時間にここにいるか、聞かないの?」
忘れてた。彼がこんな時間にもかかわらず、ここにいるってことは、まさか・・・!
「・・・ねぇ、一つだけ聞いてもいい?」
彼は身構えた表情で、「・・・なに?」と言った。
「白斗って・・・
・・・幽霊なの?」
彼はキョトンとした表情で私を見て、大声で笑った。
「ちょっと!誰かに聞こえたらどうすんの!」私は小声で言った。
私もさっきまで大声で泣いてたけど。
「なにそれ!?なにを聞いてくるのかと思ったら・・・『幽霊なの?』って!」彼の笑いは治らない。
「い、いいじゃん!・・・で、違うよね?」私は聞いた。
「違うに決まってるじゃん!」彼は腹を抱えて笑った。
私は呆れたけど、さっきまであった彼の涙はいつの間にか消えていて、いつもの明るい笑顔が戻っていた。私はそれを見て心が温かくなった。
「そっか、じゃあよかった。」私は微笑んで言った。

