そこにはいつも君がいた



「あかね、おはよ。」私は親友の吉川あかねのそばに行った。彼女は私の幼馴染で、幼稚園からの長い付き合いだ。

「おはよ、愛子。今日は特に遅いね。また喧嘩?」あかねは今日の授業の予習をしながら私に聞いた。相変わらずガリ勉だ。

「うん、しかもぎりぎりのところで門閉められてさ。足が疲れたよ。」

「あー、今日の正門担当あの社会科の鬼みたいな先生だったもんね。」

「あ、あれが噂の。」高校に入学してからそんなに経ってないけど、その厳しい先生はすでに学年中の噂になっていた。私たちの学年を担当していないから私はよく知らないけど、三年生を泣かせているのを見かけたという人がいる。



一時間目を知らせるチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。


だけど、これから授業を受けるということを考えたら、吐き気さえしてきた。


「ごめん、あかね、私さぼるわ。」そう言って私は教室を勢い良く出た。



私の名前を呼ぶあかねの声を後にして、私は廊下を駆けた。