そこにはいつも君がいた



私は止まった足をまた動かした。

「・・・ねぇ、白斗。」私は彼のそばに行き、しゃがみ込んで言った。

「ん〜?なに〜?」彼はのんきそうに言って、こっちを見た。彼は目を細めて私に微笑んだ。


彼が昨日の夜に科学室にいたことは確かだった。だけど、私が昨日のことについて聞くことで、彼のこの笑顔が消えてしまうのではないのか、そして彼自身までいなくなってしまうのではないか、と、急に不安が私の中で込み上がってきた。



「・・・ううん、なんでもない。」私は頭を振って言った。


彼は一瞬不思議そうな顔をして、「そっか。」と笑って言った。

そして、彼はまた空を眺め始めた。あの雲はやっぱりかたつむりの形をしてる、とか言って。


聞かなかった。聞けなかった。


私はこの、彼がいる『今』が変わることがどうしようもなく怖かった。