私は思わず固まった。 え? いま私の名前・・・? ドアの方を見たいが、恐怖が私の体を支配して、思い通りに動けない。私は目を瞑り、時が過ぎるのをとにかく待った。 ようやく体が動くようになった時には、水の音も止まり、足音も消えていた。もちろん、化学室の中には誰もいない。 私は科学室を離れ、暗い校舎の中を駆け足で走った。周りを見ないように、床を見ながらひたすら裏門を目指した。 裏門の外では、みんなが私のことを待っていた。