そこにはいつも君がいた



恐る恐る教室のドアを開けるが、やっぱりもう朝礼は始まっていた。


「村上!お前また遅刻か!」担任の有村先生が私を叱った。


これだから遅刻は嫌いだ。遠い裏門を通らなければいけない上に呆れた顔をした先生に怒られる。何回も遅刻を繰り返してる私が悪いんだけど。

「すいません、明日から気をつけます。」私は先生の目をそらしていった。

「昨日も同じこと言ったぞ。ま、座れ。」ため息をつきながら先生は言った。

クラスのみんなの視線の的になりながら、私は自分の席に着いた。



私の席は窓側にあり、ついつい外を眺めてしまう。機嫌の悪いその日も先生の話を聞く気分ではなかったから、外の景色をぼーっと眺めた。

いつもはいる電線の上に止まる小鳥も、悪い天気のせいか、一羽も見当たらない。


そうやって窓の外を眺めてるうちに、朝礼はいつの間にか終わっていた。