そこにはいつも君がいた



「びっくりした?ねぇ。」白斗はニヤニヤしながら聞いた。

「はいはい、しましたよ。」私は言った。「もー・・・心配して損した。」

「心配?なんの?」

「最近仕事遅いし、それに手・・・。」

「手?」

「あ、なんでもない。」おそらくだけど、彼のあの手を握る癖は無意識にやっている。だからこれは私だけが知っている秘密なのだ。「とにかく、なんか不安な事があったんじゃないかって・・・。」

「愛子は心配性だなぁ。あ、でも不安はあったよ。」

私は白斗を見た。「え?」

「愛子が喜んでくれるか不安だった。」白斗は恥ずかしそうに言った。

「なにそれ。」私は目を逸らした。「喜ばないわけないじゃん。」

「本当?良かった!」白斗は満面の笑みを見せた。

白斗の輝く笑顔。久しぶりに見た気がする。




「あ、そうだ。」白斗は一旦違う部屋に入って、背後に何かを隠しながら出てきた。

「はい、これ。」


そして彼は、今まで見た事ないほど大きなバラの花束を私に差し出した。花が溢れ出てしまうのではないか、と心配するぐらい、立派に萌えた花の束だった。


「結婚して十年、そして出会ってから十五年。いつも俺の側に居てくれてありがとう。」