夕方になってきて、笑が帰ってきた。
「ただいまー!腹減った〜。」
「おかえり〜。」私は台所から答えた。「今作ってるから、待ってて。」
食卓に食器を並べて、私、笑、紅葉の三人でテーブルを囲んだ。
「今日も父さんいないの?」笑が聞いた。
最近、白斗の帰りが遅くなっている。本人は仕事が溜まっていると言っていたけど、働きすぎていないかつい心配になってしまう。
「うん、先に食べててっていうメールがさっき来た。食べよ。」
私たちは夕食を始めた。
夜の十一時ごろ、子供たちも寝ついた後に、玄関のドアがが開く音がした。
「愛子〜!ただいま〜。」
スーツ姿の白斗が、私が洗濯物を畳んでいたリビングに入ってきた。
「おかえり〜。子供たち寝てるから静かにね。」私はバスタオルを折り畳みながら言った。
彼はネクタイを緩めながら私の背後にしゃがみ込み、後ろから抱きついてきた。
「・・・畳みにくい。」
私は言ったが、彼はそれを無視して私の首に顔を埋めた。
「愛子ぉ〜・・・。」
仕方なく、私は洗濯をする手を止めた。
彼の子供っぽい性格は、何年経っても変わらなかった。あの時から、欲しがっていた身長も伸びたし、少し顔も大人びたけど、中身はあの無邪気な白斗のままだ。
「仕事お疲れ、白斗。」私は彼に言った。
彼は私に回した腕に力を入れて、「・・・ん。」とだけ言った。

