そこにはいつも君がいた



彼は私の方を向いた。ポロポロと涙を零している私を見て、やっぱり、というように、フッと口の端を上げた。

彼は両手で、私の顔を包み込んだ。そして、小さな声で言った。

「今まで口にしたことなかったから、分からないだろうけど、愛子は俺にとってすごく、すごく大事な存在なんだ。」

彼は顔を近づけ、涙の溜まった私の目尻に優しく唇を当てた。

「言葉ではとても表せないぐらい、君が大切なんだ。」

彼はまた、流れた涙に柔らかいキスをした。

「君のためなら、取り戻した家族だって捨ててやる。だから・・・。」

彼は私の目を見て、微笑んだ。

溢れる涙を、彼は親指でゆっくりと拭き取った。

「愛子。俺の恋人になってください。」