そこにはいつも君がいた



入学式が終わり、ホームルームが解散したら、私は奥の校舎へと向かった。


そこに向かうにつれて、新入生やその親で群がっていた廊下は少しずつ人気をなくしていった。着いた頃には、辺りが静かで、まるで同じ校舎内とは思えないほどだった。

私は古い階段をゆっくり上がった。




今日は、不安になることでいっぱいだった。白斗がやたらと目立ったり、夏実に彼を狙うと言われたり。

この彼の呼び出しも、その不安を確定させるものだったらどうしよう。付き合う気はない、とか言われたら・・・。

目が少し潤んだ。十分あり得ることだ。白斗は頭が良い上に、顔も良くて、恨めない明るい性格の持ち主だ。私よりもずっと素直で可愛い人と一緒になるべきなのかもしれない。


屋上につながるドアの前まで来た。『立ち入り禁止』の文字が私をじっと見つめた。


もし彼が、もう私のことを好きじゃない、と言ったら、何も言わないで静かに彼を放してあげよう。


そう決めて、私は重いドアを開けた。