そこにはいつも君がいた



入学式は、二年生と三年生が先に体育館に並べてある椅子に順番に並んで、一年生を迎える形だ。

教頭先生がマイクで『新入生入場』と言うと、新品の制服を着た一年生がぞろぞろと体育館に入ってくる。


白斗の姿が見えた。彼は館内をきょろきょろ見渡し、上級生の中で私を見つけたら、私に向かって笑顔を見せた。私はそれに小さな微笑みを返した。

彼を目で追っていた何人かの人達が私を見た。私はできるだけその視線を無視しようと、自分の膝を見た。

後ろから肩にトントン、と突かれる感覚があった。私は振り返った。

私の後ろの席に座っていた夏実が顔を近づけていた。

「ねぇ、今のイケメンの一年、愛子に笑ったよね。」彼女は小声で言った。

「え、う、うん・・・。」

「付き合ってんの?」

「つ、付き合ってない・・・。」

「本当?やった!私狙おっかな〜。」

「え!?」思わず大声を出してしまった。

「なに、付き合ってないんでしょ?じゃあ問題ないよね。」夏実はクスッと笑った。

私は何か言い返そうとした。しかし、さっき私が大声を出したことで、先生が近づいてきて私たちは前を向くよう注意された。私は仕方なく、黙って前を向いた。


自分の中で怒りが込み上がってきた。夏実が白斗を狙おうとしていることじゃない。それを言われて、なにも言い返す言葉を思いつけなかった自分に、私は腹を立てていた。