そこにはいつも君がいた



校舎内に入った途端、いろんな方向から鋭い視線が私たちを刺した。

その理由の大体の予想はつく。通り過ぎる女の子たちは、白斗の顔を見て目を離さない。私にも、何か気分の良くない眼差しが向けられているのを感じる。


「・・・白斗。」

「ん?なに?」白斗はいつも通りのご機嫌な様子で聞いた。この天然イケメンめ。なんで自分がこんなにも目立っていることに気づけないのだろう。

「・・・髪、切る必要あった?」髪を切る前はこんなことなかったのに、短くなった途端に白斗は目立つようになった。彼は自覚していないけど。

彼は眉を寄せた。「え?髪?でもお母さんにみっともないって言われたし・・・。」

私は彼から目を逸らした。「・・・切る前の方がふわふわしてた。」

「そうかなぁ。じゃあまた伸ばそうかな・・・?」彼は毛先をつまみながら言った。

「うん!大賛成!そうしよう!」私は大きく頭を縦に振った。彼がイケメンだって事は、私だけが知っていて十分だ。

「愛子、そんなに前の髪、気に入ってたんだね。知らなかったよ。」彼は無邪気に笑った。

そうじゃないけど、私はなにも言わないで、そういうことにしておいた。