そこにはいつも君がいた



「愛子ー?早く、白斗くん待ってるよー。」

「今行く!」


私はソファに置いてあった鞄を急いで掴み、玄関へと向かった。

「いってきます!」私は笑顔で言った。

「いってらっしゃい。」お母さんは温かい目で答えた。




玄関の扉を開けると、眩しい朝日と、春風に揺れる彼の癖のついた髪が目に入った。


白斗は私を見て、「愛子、おはよう。」と言った。

私は微笑んだ。「おはよ。行こっか。」




私たちは学校への道のりをゆっくり進んだ。

「なんか変な感じがするなぁ。」

「え?何が?」

「白斗と登校。」

彼は笑った。「これからは毎日、こんな感じだよ。早く慣れなきゃね。」

「制服姿は慣れてるんだけどなぁ・・・。」




学校の門の隣には、『入学式』という大きな文字が寄りかかっていた。

「そういえば、白斗のお父さんとお母さん来るの?」

「うーん、行けたら行くって言ってたけど、どうだろう。」

白斗が家に戻ってから、彼の両親はできるだけ家族との時間を心がけているみたいだ。それでも、二人が忙しいことは変わりなくて、ほとんど以前とは変化がないらしい。でも、二人のその意識だけでもなにか、家の空気が変わったと白斗は言っていた。

「そっか。でもきっと来るよ。なんせ、息子の『入学式』だもん。」私はニヤニヤしながら言った。

「・・・愛子、一年遅れる俺のことバカにしてるよね?」

「べっつに〜。」私は笑った。「頑張ってね、我が後輩よ!」私は彼の肩を軽く叩いた。

彼は口を尖らせた。「やっぱそうじゃん・・・!」

そんな会話をしながら私たちは、学校の正門を通り抜けた。