そこにはいつも君がいた



彼は青空を見て言った。「・・・俺、今から家に帰るんだ。止められちゃったけど。」彼は少し笑った。

私は手の甲で涙を拭った。「家って・・・お父さんとお母さんがいるとこ?」

彼は頷いた。「いろいろ考えて、やっぱり戻らなきゃ、って。俺、間違ってたんだ。答えは家出じゃなかった。また逃げていただけなんだ。やっと分かったよ。」

「・・・そっか。」

「戻ったら、愛子に全部言うつもりだったんだけど・・・まさかこんな展開になるとは。」

多分白斗は、家に帰る勇気をなんとかかき集めて学校を出たんだろう。止めたことに罪悪感を覚えた。「ごめん。でも何で私のこと見てたの?正直怖かったんだけど。」

「あぁ。」彼は微笑んだ。「愛子の顔が見たくてね。愛子の席、窓側だって言っていたの思い出して。」

私は白斗を見た。「私の顔?」

「うん。」彼は口角を上げた。「最近、俺のために来る回数減らしてたみたいだったから、なんか淋しくなっちゃって。せめて行く前に一目だけでも愛子の顔を見れたら、頑張れる気がしたんだ。」

顔が熱くなった。それを隠すように、私は彼から顔を背けた。「ストーカーみたいだったよ、特にその格好でやってたから。」

「ひどい!でも他に愛子の顔を見る方法が思いつかなくて・・・。」

「なに、それ。」私は彼に微笑んだ。「でも・・・私も、淋しかったよ。」