授業が終わり昼休みになった。
絶望しているあたしに夏帆は気づいていない。

「清川さんだっけ?」

と後ろから声をかけてきたのはさっき夏帆と歌っていた、中野くん。

「うん、そうだけど。」

「デュエットの相手いないでしょ?
良ければ僕が一緒に歌おうか?」

夏帆の顔がちょっと暗くなったのがわかった。
そんな夏帆も可愛くてあたしはニヤニヤしながら、

「ううん、あたしはいいの。
それより二人息ピッタリだったよ!すごいね!」

「夏帆ちゃんがうまいから僕はついていくの大変だよ。僕がリードしないといけないのに。」

夏帆の顔のまわりにパアッとお花が咲いた。
中野くんは気づいてないけど、あたしからみたら夏帆はすーごくわかりやすい。(笑)

「いや、、心くんは十分リードしてくれてるよ、、わたしもっともっと頑張らないと、、」

中野くんも顔が赤くなった。
二人ともお互いの顔を見れてないから
同じ顔をしてるのに気づいてないみたい。
二人の周りは今お花畑!!

「あ、ありがとう!じゃ、じゃあまた部活で!清川さんも。」

あたしたちは中野くんに手をふった。
これから昼休みであと2時間も授業一緒にするのに
どうして部活で!なんだろう(笑)
相当テンパってるんだな。