「海は部活何にはいるの?」

「水泳部!」

「すごいね!ここのプール広くて気持ちいよ!まあわたしは泳げないんだけどね、、」

「うん!それ目当てで来たって感じ!」

夏帆泳げなさそう!
いやなんかそれが可愛い!

「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど、、」

「ん?」

部活の話よりも聞きたいことがあった。

「音楽ってどうして必須科目なの?」

「なんか今年からそうなったんだよね。
わたし音楽が大好きだからすごい嬉しいけどね!」

「そうなんだ、、」

自分でも顔が青ざめていくのがわかった。

「海どうしたの?もしかして音楽嫌い、、?」

「ううん、、別に、、!あ、夏帆は何部なの?」

あたしは急いで話を戻した。

「合唱部だよ!部員少ないからただ歌うだけなんだ!暇なとき遊びにきてね!」

合唱部、、。
前のあたしだったら喜んで遊びに行ってたよ。
あたしは今、歌が嫌いなんだ。
でもそんなこと夏帆には口が避けても言えなかった。

「う、うん!合唱なんてすごいね!今度聞かせて!」

「聴かせるほどの歌じゃないよ~」

思ってもないことを言ってしまった。
なんだか悪いことをした人みたい。
夏帆ごめんね。
心のなかで何度も夏帆に謝った。

それにしても、音楽の授業、、
憂鬱だな、、。
音楽からはなれるためにここへ来たのに
これじゃ意味がない、、。

それでも時は流れる。
あたしは流れに身を任せることにした。
自分を決して見失うことなく。