「いいの!心くんが話しててくれたんだ。」

「そっか、良かった、、」

「海?顔色悪いよ、、?大丈夫?」

夏帆の後ろから中野くんがきた。

「ほんとだ、清川さん大丈夫?」

「ごめん、今日やっぱり帰るね、、
待っててくれたのにごめん、、。」

「全然いいよ!てかおくるよ!」

「ううん、ひとりで帰れるから大丈夫。
中野くん、夏帆のことおねがいね。
じゃあまた明日。」

中野くんはまかせろって感じの素振りを見せた。
夏帆は心配そうにあたしが離れるまで
背中に手をおいててくれた。


帰り道ー

あたしは日向先輩のことが頭から離れなかった。
夢で会っていた日向先輩。
夢が現実になった今日。
夢の中のあの幸せそうなあたしが、、
あたしは必死にこらえた。
歌に自分を奪われないように。
自分をしっかりもっていないといけなかった。
もう歌うのはあれが最初で最後だ。
日向先輩と歌わなければきっと大丈夫。
もう二度と歌うことはない。


ー空は晴れていた。
あたしの心とは裏腹に。
今思うとあたしの心も晴れていたのかもしれない。