「学校はどうだ?」

朝ごはん中。
パパが心配そうに聞いてきた。

「楽しいよ!友達もできたし!部活も今は筋トレと近くの温水プールでたまに練習してる!」

「それは良かった。パパもなんとかやってるよ。生徒数が多くて大変だがな。」

「そう!ほんと多いよね!あたしもびっくり。」

夏帆のおかげでなんとかみんなと話せてるけどね。
それにしても、夢のせいで最近寝不足。
新聞を広げてるパパの目の前でふぁ~あと大きなあくびをした。

「なんだ、寝てないのか?そういえば顔色が悪いぞ?」

「ちょっとね。」

「なんだ?怖い夢でも見たのか?」

ニヤニヤしながら聞いてくる。

「この年で怖い夢なんかで起きないよ~」

「ちっこいときから海は怖がりだったぞ!
パパに抱きついて怖い~って泣いてたの覚えてるか?
なつかしいな~」

「もう、いつの話よ~先いくよ~」

あたしがリビングからいなくなっても
パパはひとりでおちゃらけてた。

歌ってる夢より怖い夢の方がマシだ、、。
そういえば、今日の夢、あたしの向かい側に誰かいた気がする。
多分男の人。背が高くて、髪は茶色がかってて、あたしと一緒に歌ってた。

ああ、そんなことはどうでもいい。
歌のことは考えるのやめよう。

あたしは足元を少し濡らしながら学校へと急いだ。
今日は大雨だ。