冷凍食品の炒飯を温めて口にほおばる。
何の変哲もない平凡な味のように感じた。
食べながら夢で起こった事を思いかえしていた。
「何であんな夢みたんだろ・・・。」
夢のことなのに、初めから最後まで鮮明に覚えている。
自分の思い通りになる・・・か・・・。
明日は中学校生活で最後となる席替えがある。
俺は浮いてるくせにいつも真ん中の席になってしまう。
最後くらいは1番後ろの端がいいな・・・。
――――――
次の日
「今日は最後の席替えをやります。
くじを回してください。」
先生が言い終わる前にはもうザワザワしていた。
「隣になったらいいねー!!」
「1番後ろがいいー!」
そんな声があちこちからきこえる。
自分のところにくじが回ってきた。
何かおかしい・・・。
1つだけくじが光っている。
みんな気づいていないのか?
もしかして俺にしかそう見えないのか?
そんなはずは・・・。
「おいっ!文瀬!早くひけよ!全部一緒だろが!」
全部一緒・・・。
「う、うん。ごめん。」
急かされたせいかその光っているくじを引いてしまった。
「では、全員まわりましたね。席の場所を発表します。」
教室内がヒートアップする。
先生が席の番号を言っていく。
「よっしゃー!俺1番後ろ!」
「やった!席近いじゃん!」
「まじかよー。1番前になった・・・。」
さまざまな言葉が飛び交う中、自分の席が発表された。
「文瀬、6番」
6番は窓側の1番後ろの席だ。
嘘だろ・・・。
まさかのことが起こったせいで喜ぶのを忘れていた。
いいや、これはまぐれだ・・・。
鼓動激しくなりさっきからうるさくて仕方がない。
こんなにも動揺するものなのか。
―――――
