珍しいというのもそうだが、あまりに綺麗な黒髪だったので、ヴォルクは時も忘れずっと眺めていた。


すると、


「きゃあっ」


と、突然悲鳴が聞こえた。


少女が眠りから覚め、ヴォルクをみて驚いたようだ。
「こないで!」と涙目で叫んでいる。


しかし、ヴォルクはそんなことなど気にならなかった。
少女の瞳が、髪と同じくらいきれいな漆黒の色をしていたからだ。
丸くて大きい瞳は、まるでうさぎのようで小柄な少女にぴったりだった。


涙で潤んだ瞳はさらに綺麗に見えた。
ヴォルクは、またぼーっと少女の瞳を見つめていた。