しかし、しばらく見ていたが、その少女は少しも動かなかった。


「もしかして死んでいるのか?」


急に心配になったヴォルクは、警戒しながら忍び足で少女に近づいていった。


真横までたどり着くと、少女からは小さな寝息が聞こえ、ヴォルクは一気に脱力した。


「なんだ寝ているだけか。」


それにしてもこんなにきれいな髪色は初めて見るな。
この国には黒い髪の者はいないはずなんだが…


フレード王国では、昔から色素の薄い者しかいなかったのだ。