でも

クラスが違ったから
三組のとこではできなかった。

刻々と時間は過ぎ
最終日。

わたしはへとへとになっていた。

「はぁ、もうみんなちゃんとやってよ」
ほぼ一人で完成させ、絵の具を片づけようともしたとき。

がしゃーん!

絵の具を落としてしまった。 

急いで、片づけようともしたとき。

誰かが、無言で拾ってくれた。

田中海人君だった。

わたしは、パニックで
三秒くらいとまったものの、
田中海人君は、まっすぐこっちをみて
待っててくれて
やっと、状況が把握でき

でも声が出なく
頭を下げた。

すると田中海人君も、ぺこっと頭を下げ
足早に、戻っていった。