『うわ、また来たよ』 部室に入った瞬間、聞こえてきた言葉。 皆が皆、私の事を、冷ややかな目で見ている。 ひそひそ話も、聞こえてくる。 自分の荷物を置こうとすれば、目の前にはぐちゃぐちゃになった、水彩道具とキャンパス。 なんで…… なんで、こんなことするの…… 私は、思わず皆のほうを振り返った。 そこにあったのは、氷のように冷たい、軽蔑の目。 どうして? 色の見えない私が絵を描くのは、そんなにいけない事なの?