それから、応接ルームが閉まるギリギリまで、私達はいろんな絵を描いた。
沢山の人と、自分の絵を共有する。
お互いの世界を見せ合って、刺激を貰って、あわよくば誰か笑顔にできればいい。
楽しい。
こんなに楽しいのは、久しぶりだった。
「里沙ちゃん、今日すっごく楽しかった!
また明日も来てくれる?」
「うん、行くよ」
「ホント?!やったあ!」
ピョンピョンはねて喜ぶ美咲ちゃん。
気付けば、私も自然と口元が緩んでいた。
「じゃあ、また明日ね、里沙ちゃん!颯くんも!」
「うん、バイバイ」
「またね、美咲ちゃん」
彼女はヒラヒラと手を振って、自分の部屋へ帰っていった。
美咲ちゃんの姿を見送りながら、私と逢坂くんも手を振った。


