『拝啓、三津島里沙さん。
お元気ですか。
僕の事、覚えてますか。
逢坂颯です。
僕が全てを忘れてしまう前に、君に伝えたい事があるので手紙を書きました。
まず1番に伝えたいことは、感謝です。
ありがとう。
僕と出会ってくれてありがとう、短い間だったけど、一緒に居てくれて、ありがとう。
君と一緒にいた日々は、とてもカラフルに色づいていて、今までで1番楽しかった。
本当に、ありがとう。
僕の病気は、生まれた時から分かったものだから、物心ついた時から、ずっと病院にいたんだ。
真っ白な空間と、アルコール消毒の匂い、それが僕の全てだった。


