それから、俺は千夏の墓の前に来ていた

「千夏...。」

泣きそうになり声が震えた

「こちらこそ沢山のありがとうをありがとう。

俺、ちゃんと前を向く。
千夏の言葉に背中押されたよ。

だから...、今日くらい泣くのは許して...。

千夏からの手紙嬉しかった。
俺も千夏のこと大好きだし愛してる。

目を閉じるとさ、千夏との思い出が流れてくるんだ。
出会った頃からずっと千夏は大切な人だった。

そういえばさ、いつ私に惚れたのって聞いてきた時あっただろ?
あの時は照れて言えなかったんだけど...

本当は出会った時にはもう惚れてたんだ。ひとめぼれってやつ。
よろしくねって言ってきた時の千夏の笑顔があまりにも可愛くて惚れた。
そっけなくしてたのはこの気持ちがバレそうで怖かったから。

でも、千夏と付き合えることが出来てよかった。
思い出を作れてよかった。

千夏との1日1日は大切なもので俺の宝物

今でも千夏のこと愛してる。
この思いは多分消えない。

でも少しづつ思い出に変えられるように努力するから。
明日から俺はちゃんと前を向くから。
今まで辛くても頑張った分安心して休んでな。

俺達が付き合った記念日に、毎年お参りに来るから。
その時は待っててくれよな。

俺さ、絶対夢叶えるから。
絶対医者になって多くの人たちの命を助ける。
そんなに簡単にはいかないって知ってるけど、頑張る。
何年浪人しても絶対医者になる。

いや、俺の頭だったら浪人しなくてもいけるって言うんだろうな千夏は...。

もうそろそろ行くよ。
これ以上ここにいたら離れたくなくなる。

次は来年の記念日の時に来るから。
それまでちゃんと休んどけよ。

手紙もアルバムも大切にするから。
千夏との思い出も全部ひっくるめて大切にするから。

俺が前を向いて歩いてるとこちゃんと見とけよ。

愛してるよ、千夏。」


最後に墓にキスをして歩いていった

振り向かず涙をぬぐって強く歩み出した