【大竹雄大の絶望】

俺に向かって発せられた言葉だと信じられなかった。
聞き間違いかと思った。
静かな公園。
夜の公園。
本来なら、2人でブランコにでも乗ってラブラブする予定だったのに。


長い長い間があく。
あれ?俺、今、何を話してたんだっけ?

きっと、、聞き間違いだろ?。
そうだろ?華?そうだろ?

開いた口からは、言葉も出てくれなかった。

そこでやっと気づいた。

今、俺ー…いや、俺たちは、一般に言う、別れ話をしているのだ。

「…わりっ!華、よく聞こえなかったわ。もっかい言ってくんね⁇」

華、顔を上げてくれよ…
頼むよ…

笑顔で、【冗談だよ!】って、言ってくれよ…
華!!!!!!!!






『もう一回いうね。別れてほしいの。』











『冗談なんかじゃ、ないよ。』














こっちを向いた華の顔は、真剣だった。
そっか…冗談じゃねーのか…そっかそっか…。

って、ちげぇ!!!!!!


「は!?!?おま…っ冗談だろ⁉︎別れる⁉︎?なんでだよ‼︎説明しろよ‼︎」

『…』

「おい‼︎黙ってんじゃねーよ‼︎どーゆーことか、ちゃんと説明しろ‼︎」
『叫ばないでよ‼︎』

ハッとした。華の悲痛の叫び声、
彼女は、泣いていた。

再び、沈黙が続く…
なんだよ…これ…
汗が…とまんねぇ…。

『私が…私が全部悪いの…お願い…私と…』
『私と別れて…っ…』

泣きじゃくる華が目の前に居た。

なんだよこれ…信じらんねぇ…
俺…夢でも見てんのか…?

「俺のこと、嫌いになっちまったのか…⁉︎そうなのか…⁉︎頼むよ…何でもするよ…悪いところ、全部直すし、何でもやる。 だから…別れないでくれ。一緒に居てくれ…!」

華は泣き止まない。

『悪いところなんか、何もない。欲しいものも、何もないよ…っ。 』

「じゃあ、なんで⁉︎何でも言うこと聞くから…もう一度考え直してくれよ…っ」

ピタッと華の動きが止まった。

『本当に…なんでも言うこと聞いてくれる?』
「ぁ、ああ!なんでも聞くって!約束するよ!」
『別れて。』

全身から血の気が引いていくのが分かった。
心臓も破裂しそうだ。
汗がとまんねぇ…。
ゼッゼッゼッゼッと呼吸が荒くなっていく。

『終わりにしよう。今までありがとう。次からは、友達ね。バイバイ。雄大くん。』


華はスタスタと歩いていく。

待てよ…‼︎もう一度考え直してくれよ…‼︎
頼むよ…帰ってきてくれ…華……‼︎

伸ばした手は空気をつかみ、
開けた口からは息が漏れるだけだった。




ブランコに座り、ギィギィ音を鳴らす。
そっか…俺…あいつを…華を…叫び声支えてやることさえできなかったのか…

ピコピコッピコピコッ

アインの音がなる。

携帯の画面を見ると、2人からのアインだった。

泪【雄大⁇話、どうだった⁇大丈夫か⁇】

もう1人は…

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