「ほぉら、みてご覧。 ここを。」
そういって大道芸のおじさんが指差した。
「うんっ。」
お客はあたししか居ない。    おじさんは… 指差しながら魔法をかけた。
「じゃあお嬢(おじょう)ちゃん…どんなのがいいかい?」
そういってカードを裏返しにして引くように言われた。
「えぇっとねぇ…。 これっ。 これがいい!」
シュッ。   カードを手渡しておじさんが見た…。
「お嬢ちゃんは運がいいね。 なんてったって不思議の不思議の国へ行けるんだ。」
「??」
あたしは意味が分からない。
「じゃあ目を瞑って(つむって)もらえる?」
コクン。
あたしは首を縦に振り目を瞑った。
おじさんは変な呪文を唱え、どこかへ消えた。
いや、血だけが真っ赤に残っていた。
「フフ…。 やっぱりお嬢ちゃんは運がよかったよ。人殺しの罪を消してくれたか…。」
その後は聞けなかった。
「ハハハハハハ。 アハハハハハ。」
あたしは笑い転げた。 そうじゃないと狙われちゃうから。
「不思議の不思議のお国についた白雪姫~♪どこへ行って消えちゃうのかなぁ~♪」
そしてあたしは奇妙な歌を歌い続けた。