「隼人…?」

「…そんなわけ、ねーだろ」


………え?

なにその間。


これじゃまるで…


「…隼人、なんか隠してる?」

「…隠してない」


絶対嘘だ。


「なによ、別に隠さなくてもいいじゃない。隼人に彼女がいたって私は別に…」


…ズキン。


あれ?


なんか胸にトゲが刺さったみたいな…



「…は?」


隼人の声色がなんだか変わった。


「私は別に、何だよ?」

「え、だから…私は別に何も言わないし…」

「…そーかよ」


ピッ。


ツーツー。



…え?


電話切られた!?



「なんなのもー!」


頭がグチャグチャになって、ケータイを放り出した。


なんなの!?


隼人のやつ、何怒ってんの!?


意味わかんないんだけど!



「だってそうじゃん!隼人に彼女がいたって私は…」


私はどうでもいい?


…本当に?



隼人は幼馴染で友達だけど、隼人が付き合う相手にまで関わる資格はない。


でも…



そう思うと、なんだか胸がおかしい。


トゲが刺さったというより今は、強い力で締め付けられてるみたいだ。



なんだろう、この気持ち…。