1限が始まる。


横をチラ見すると、頬杖をついて黒板を見てる荒川くん。


…怖い。



手首にシルバーのブレスレットついてる。


耳、いくつ穴開いてんだろ。



いーち、にー、さーん。


左側は見えないけど、2つくらい開いてた気がする。



こんな髪色、よく止められなかったな。


確かにこの学校校則ゆるいけど、さすがにこんな派手な色見たことない。



「何見てんだ」


ビクッ!!!


見てんのばれた…!?



気づけば荒川くん、私の顔を見てる。


血の気が引いていくのが分かった。



「ごめんなさいごめんなさい!」


周りに聞こえないよう、小声で謝る。


荒川くんは、自分の耳を指差した。



「これ、気になる?」


!?


耳見てたのもバレてる…。