周りで見ている生徒たちがワアッと騒ぎ出す。



向こう側の男子たちも、私たち女子も自分のクラスを必死に応援した。



「がんばれー!」

「抜けー!!」


あっという間に、私の走る番が来た。


AクラスはBクラスに次いで2番目だ。



「パス!」


バトンを受け取り、何も考えずに全力で走る。



気づけばあっという間に次の男子にバトンを渡していた。



よかった、抜かれなかった…。



呼吸を整えていたら、隼人が声をかけてきた。



「お疲れ」

「隼人も、がんばってね」

「ああ」



だんだん東側には女子が、西側には男子がと入れ替わりが進んでいく。



ついに、こちら側の男子は隼人だけ。


つまり、次はアンカーの番だ。



リレーの順位は相変わらずで、Bクラスに少し離されてAクラスが続いている。



みんなの応援もだんだん大きくなってきた。



隼人の前の、女の子がバトンを受け取り、走り出す。


しかし…



「あっ…!?」


クラスのみんなが息を飲む。


半分も走らないうちに、転んでしまった。



急いで立ち上がったけど、その間にEクラスに抜かれた。



「やばい…」


隼人がぽつりとつぶやく。


胸が嫌な感じにドキドキする。


そっか、怪我してるんだし、1人ならまだしも2人抜くのは無理かもしれない…。



…ダメだ。



隼人が頑張ろうとしてるのに、私がそんなこと思ったらダメ。



きっと大丈夫。



隼人を全力で応援しなきゃ…!