「みんな、荒川に何か質問あるか?」


シーン。


いつも賑やかなクラスなのに、誰も声を発しない。


みんな膝に両手を置いて、固まっている。



「じゃあ荒川、あの廊下側から二番目の最後列の空席座れ」

「うっす」



歩いてくる間、みんなさりげなく目線を逸らす。


私も逸らした。



荒川くんはドカッと勢いよく、私の隣に座った。



「じゃあ連絡事項を伝える。今日の当番は…」


先生が色々と話すけど、なんにも頭に入ってこない。


隣の席が怖すぎて…


「おい」


ビクッ!


恐る恐る隣を見る。



荒川くんが私をガン見している。


怖いー!!!



「あんただよ」


…やっぱり私に話しかけてる。



「な、なんでしょう」


「よろしくな」



!!!!!


そんな無表情で言われても…!


何をよろしくしろと…!?



「おい、聞いてんのか?」

「は、はいっ!よろしくっ!!」



顔が引きつる感じがしながらも、精一杯笑顔を作って答えた。


荒川くんは前を見る。



…どうしよう。


友達ができるどころか、ますます学校来るのが嫌になった…!