「隼人、お疲れ様」

「ああ」



こっちに戻ってきた時、隼人はいつもと変わらない様子だった。


「隼人すごいね、ダントツだったじゃん」

「こんなん余裕だよ」



小さい頃は運動苦手だったくせに、成長したなあ。



「あ、そろそろ10人11脚召集の時間だ」


クラスの誰かが言うと、10人11脚に出場する子たちがぞろぞろ動き出す。



「私たちも行こっか」

「そうだな」


隼人と一緒に、みんなについて移動した。



召集の場所で、今やってる3年生の徒競走が終わるのを待つ。



ふと、隼人の方を見ると…

…わあ。


相変わらず耳がキラキラしてる。



これじゃみんな怖がるよ…。



「なんだよ」

「いや、今日もピアスすごいなあって…」



隼人はそうかなと言う顔でピアスに触れた。



「あ、そうだ、見て見て」

「あ?」



自分のTシャツのライオンの隣あたりを指差した。


「何が…あ、それ…」


隼人が気づいた。



Tシャツに付けたラピスラズリのピアス。