「吉永さんて昔から絵が得意なの？」

「得意っていうか、小さい頃からお絵描き好きだったかも…」

「そうなんだ！才能かな？」

「そ、そんなことないよ！」



…信じられない。


私がクラスの子たちと、お昼を食べてる。



栗田さんと、あとで名前確認したら池本さんと加藤さん。


そこに…隼人も。



クラスのみんなは、ますます不思議そうにこっちを見ている。



「そういえば荒川くんは足速いんだね。何か部活やってたの？」

「中学の時3年間テニスやってたけど、毎日外周させられてたから」

「へー」



栗田さんは普通に隼人に話しかけるけど、池本さんと加藤さんは隼人と目を合わせないようにしてるのが伝わる。


そりゃ、怖いよね…



「2人はどうやって仲良くなったの？」

「あ、私たち幼馴染だったんだよ。隼人が小2の時に引っ越しちゃって、最近こっちに戻ってきたの」

「あ、そうだったんだ！」


栗田さんがなるほどと頷く。



「でもね、最初全然分からなかったんだよ。まさかこんなヤンキーになって戻ってくると思わなくて…」

「ああん！？」



隼人が私のほっぺをぎゅーっとつねる。



「痛い痛いっ！何すんの！？」

「どう見ても真面目な好青年だろ？」

「どこが！小さい頃は仮面ライダーになりたいとか言ってて可愛かったのに！」

「いつの話してんだよ！」



そんなやり取りを見てか、池本さんと加藤さんが笑った。



「…なんか、荒川くんてイメージと違ったかも」


え？


「うん、怖かったけど、意外と話しやすそう」



お…？



「俺別に怖くないだろ」

「ほら、みんな怖いって〜…いたたた！」


またほっぺをつねられる。



3人が笑ってる。



「みんな2人のこと、結構誤解してると思うよ。だから、誤解といたらみんなと仲良くなれるよ」


栗田さんがニコっと笑う。



「う、うん！」



私、みんなと仲良くなれるかな…？