「すげー…よく1日でこんなん描けるな」

「描き出したら止まらなくなっちゃって…」



翌日、Tシャツのデザインを隼人に見せるとびっくりされた。



昨日、図鑑を見たりネットで検索したりして、ライオンが口を開けて威嚇してるようなデザインを描いた。


正直、描くのがすごく楽しくて、あっという間に完成した。



「吉永さん荒川くんおはよー!…あれ?もしかしてTシャツのデザイン?」

「えっ!?」


振り向くと、栗田さん。



「見せて見せて!」

「はい」


隼人が栗田さんにデザインを渡すと、びっくりされた。



「何これ!?すご過ぎるよ!かっこいー!」


栗田さんが目をキラキラさせて言う。



「吉永さんってすごい人だったんだね!絵描きさんになれるよ?」

「大袈裟だよー…」

「そんなことないって!…あ、ねえねえ見てこれ!」


栗田さんが近くにいた女の子2人に声を掛ける。



そしてデザインを見せた。



「え!これTシャツのデザイン!?すごいね!」

「でしょ!?吉永さんこんなすごいの1日で描いてきてくれたんだよ!」


女の子2人が私を見る。


私はビクッとする。



「へー!吉永さんって絵が上手なんだね!」

「うん、びっくりした!」



なんだか照れる。


私は恥ずかして、ちょっとうつむいた。



「私、実行委員やってラッキーだったかも!実は吉永さんとちょっと話してみたかったの!」


え?


栗田さんの意外な言葉に、思わず顔を上げる。



「どうして…」

「話しかけたかったんだけど、いつも本読んでて、1人でいるのが好きなのかなーって…」


…あ。


確かに教室にいるときはいつも、本を読んでた。



私、1人でいるのが好きだって思われてたの…?