先生がバインダーに挟んだ紙を見てる。


この間体育の時に計った50メートル走のタイムを見てるのかな?



「徒競走の女子は安藤、北澤、鈴木、森島。で、男子は荒川、伊藤、田村、山下な」


実行委員が、黒板の徒競走の欄に名前を書く。



…ん?荒川………?



「ちょっと隼人!」


小声で呼びながら隼人の肩を揺する。



「…なんだよ」


気だるそうに隼人が顔を上げる。



「隼人、徒競走の代表になってるよ!」

「はー?めんどくせ…」



頬杖をつきながら顔をしかめる。



「男女混合リレーのアンカーは、男子のタイム1番速い荒川でいいな」



みんな少し、ビクッとした。



「…マジかよ。だる」



え…隼人、クラスで1番足速いの…!?



びっくり。


だって小学校の時はかなりの運動音痴で、私よりも足が遅かった。



せ、成長するもんだなあ…。



感心して隼人を見たけど、隼人は二度寝してた。