隼人は立ち止まって振り向いた。


なんだろう…?



「凛は小学生の頃、いつも俺のこと守ってくれたよな」

「え?」


急にどうしたんだろう。


隼人は真っ直ぐな目で私を見る。



「でもこれからは、俺が凛のこと守ってやる」



…え!?


急に顔がかああーっと熱くなる。



なんだか、信じられない。



あの隼人が、こんなに強くなるなんて。



本当に隼人なの…?



「あ、忘れてた。ほら」


隼人が何か差し出す。


…これは……



「…りんごジュース?」


冷たい缶のりんごジュースを受け取って、ポカンとした。



「何がいいか聞こうと思ったのにどっか行くから。でもりんごジュース好きだったよな」


隼人はそう言いながら、ペットボトルのお茶を飲む。



私の好きなもの、ちゃんと覚えててくれてる。


やっぱり、隼人なんだ。



「…ありがと」



昔とは見た目も性格も全然違うけど、やっぱり隼人だって実感して、なんだかあったかい気持ちになった。