「…で、三権分立とは、立法権、司法権、行政権を分立して…」



…退屈。


まだ1限なのに、眠くなってきた。


…ノートに落書きでもしよ。



ノートの隅に、女の子の顔を描いてみる。


楽しい。



「…ぷっ」


!?



横を見ると、隼人が口を押さえて、笑いを堪えている。



「な、何!?」


小声で聞くと、隼人も小声で返す。



「真面目に授業受けてんのかと思ったら、落書きしてんのかよ」



顔がかあああっと熱くなる。


恥ずかしい…!



中学の時のことを思い出す。


落書きしてたせいで、私はみんなに避けられるようになったんだから。



「お前相変わらず絵上手いな」


…へ?



隼人が優しく笑う。



昔から絵を描くのが好きで、隼人もそれを覚えてたんだ。


中学のみんな、落書きしてるの見て引いてたのに、隼人は引かないでくれるんだ…。



そう思うと、なんだか嬉しくなった。