鈴ちゃんの命は助からなかった。おじさんの命は助かったらしい。でも、あの明るい鈴ちゃんは、もういない。あの変な鈴ちゃんはもういなくなってしまった。僕は鈴ちゃんを殺してしまった。そう思った。


　だって、鈴ちゃんの成績を見たのは僕だったから。鈴ちゃんの筆箱の中に入っていることを僕は知っていたから。


　鈴ちゃんはいつも通りに僕に成績を見せてくる。そして、僕は見せてもらった。僕は見終わって鈴ちゃんに返した。そのときに鈴ちゃんは「塾に持ってくし筆箱の中でいいよね？」と笑顔でいいながら、筆箱の中に入れたのだ。鈴ちゃんは忘れていたのだ。自分が筆箱の中に入れていたことをそのせいで鈴ちゃんは唯一つしかない…命を落としてしまった。


　　僕は悟った。