真言さんの顔も見るのも辛く、送らなくていいと断ったものの、さてどうやって帰ろうかと。


ホテルを出た私は固まった。


第一ここがどこなのか分からない。タクシーを拾うには高くつく。


どこかにバス停か駅があれば歩いてでも、と思ったが、歩くには疲れ切っていた。


仕方なく一旦中に戻ろうとしたとき、背後から羽交い締めにされて口をハンカチで押さえられた。


「………っ!?」


訳が分からないまま、車に押し込まれ、後ろ手にガムテープで縛られ、目隠しまでされてしまった。