それ程に、見た目の美しさだけではない、魅力的な女性なのだ。
だからこそアレルギーが出なかったのかも知れない。


氷嚢を顔に当てぼんやりとソファで寝転がる壬言さんを横目に、本気で落ち込んでしまった。


「すいません。今日は私、疲れました…帰っていいですか」


たぶんこれで終わりだろうと踏んで切り出した。


「ああ、そうですね、お疲れ様。送りましょうか」


真言さんが言ってくれたけれど、


「…いえ、大丈夫です」


力無く言うと、部屋を出た。


「そういえば、鍵って何のことですか??」


不意に思い出した佳以子さんが。驚く茉莉子さん。


「えっ!?あなたじゃないの!?合鍵を作って部屋に入ったの」


「そんなことしません!!声が聞きたくて無言電話はしてしまいましたけど」