「……大学の後輩なんです」


別室で、少し落ち着いた6人。


「…佳以子さんは、女子の格闘技サークルで一緒だったんですけど、面倒見もよくてすごく真面目な子なんです」


「そんなこと。当たり前のことしてただけです」


項垂れる茉莉子さんと赤くなる佳以子さん。


格闘技、という言葉がこれほど似合わない女性の口から聞くとは。


「本当によくしてくれて、うちにも来たことがあって。まさかとは思ったんですが、そんな風に思われてたなんて」


こんなことになって申し訳ないという顔だ。


「社会に出てから彼女は本格的にそちらの方面に進んだようですけど、私は興味本意だったので護身術程度マスターできればという気持ちで、マネージャーをしてました」


「…マネージャー…」


思わず口にしたのは私だったけれど、ああ、そっちね、とたぶん皆思った。


だから腕っぷしが強かったのだ、とそちらにも妙に納得した。


結果的に、上谷という男性の存在で気付かされたけれど、佳以子さんにも男性的な部分があったのだろう。


美人に惹かれるのはわかる気がする。